悠閑自在

本屋さんで働きながら8年かけて放送大学を卒業、29年度1学期に再入学しました!

時は流れる

毎月月末は市内の集金の仕事があります。
30件くらいかな。
いつもは二日か三日に分けて行くのですが、今月は諸事情で今日一日で済ませた方がいいらしいという話になりました。
午前中は車でドドドドーっと済ませ、午後は徒歩でトボトボと。
今日は秋晴れで風も心地よくて、歩いてる途中に空を見上げたり、通りかかったお宅の庭先にあった小さな赤い実をつけた木や花を眺めたり、1件お寺に伺っていますが、境内にある石碑に何が書いてあるのかと立ち止まって読んだり。
何だこの仕事とは思えない行動(^_^;)
その徒歩途中、以前集金に伺っていたお宅の近くを通りました。
徒歩で通りかかるのはとても久しぶりでした。
そのお宅には50代後半くらいの男性が一人で暮らしていました。
囲碁の雑誌を予約していて、その集金でお邪魔してました。
あるとき集金に伺ったら、雑誌の定期購読を中止しますと言われました。
その時応対に出た男性はパジャマ姿で少しやつれていました。
体の具合でも悪いのですか?と尋ねたら「ええ、ちょっと」と、いつものような笑顔で答えられました。
そしていつものように丁寧すぎるほどのねぎらいの言葉をかけていただきました。
帰り際、お大事になさってください。
また何かございましたらご連絡下さい。
と言ってお宅を後にしました。
それから1ヵ月も経たない頃、新聞のお悔やみ欄にその方の名前が載っていました。
数週間前に言葉を交わした人の名前がそこにあるというのが信じられませんでした。
そのお宅の近くを今日通りかかったら、そこは空き地になってました。
しばしそこで立ち止まって、空き地を眺めていました。
去年の今頃、そこには小さな家が建っていました。
とても律儀で、丁寧で、たまにお店に来ると店員以上に「いつもありがとうございます」と頭を下げる方が住んでいました。
これから何年か経ったら、そこに小さな家があった事は忘れ去られるんだろうな。
時間も人の心もはかないな〜と思いながら帰ってきました。
でも、たぶんそれでいいのだと思う。
全ての事は移ろいゆくもので、それに追いすがってはならないのだから。
ブッダの言葉を引用して本日はこれにて。